3つの平均(相加平均, 相乗平均, 調和平均)

この記事の所要時間: 39

1. 相加平均, 相乗平均, 調和平均の定義

a_1, a_2, \ldots a_nは正の数とする. 相加平均, 相乗平均, 調和平均をそれぞれM, G, Hとすると,

\displaystyle M=\frac{a_1+a_2+\cdots+a_n}{n}

\displaystyle G= \sqrt[n]{a_1a_2\ldots a_n}

\displaystyle H = \frac{n}{\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots+\frac{1}{a_n}}.

よく使われる平均には相加平均(算術平均), 相乗平均(幾何平均), 調和平均の3つがあります. 高校で学習するのは相加平均と相乗平均で, 特にn=2の場合です.

2. 定理( (相加平均)≧(相乗平均)≧(調和平均) )

 a_1, a_2, \ldots, a_n\geqq0の相加平均, 相乗平均, 調和平均をそれぞれM, G, Hとすると, 不等式

M\geqq G\geqq H

が成り立つ. 等号成立はa_1=a_2=\cdots=a_nのときのみ.                                                        (証明はこちら)

(相加平均)≧(相乗平均)の関係は不等式の証明でよく使います.

a_1+a_2+\cdots+a_n\geqq n\cdot\sqrt[n]{a_1a_2\ldots a_n}の形で使うことの方が多いかもしれません. 特にn=2の場合の形

\begin{equation*} a_1+a_2 \geqq 2\sqrt{a_1+a_2} \end{equation*}

は大切です.

また, nが3以上の場合についても, 関数の最小値を求めるのに使える場合があるので, 覚えておくと便利です. (こちらを参照)

3. 調和平均とは

相加平均, 相乗平均に比べると, 調和平均は有名ではないですが, 以下のような身近なところに使われています.

問. 10kmの距離を行きは時速3km, 帰りは時速5kmで往復したとき, 行きと帰りを合わせた平均の速さは時速何kmか.

答. 往復に掛かった時間は\frac{10}{3}+\frac{10}{5}=\frac{16}{3}時間なので,

平均の速さは時速20/\frac{16}{3}=3.75km.

この場合, 距離(この問題では10kmですが)にかかわらず, 平均の時速は, 行きと帰りの時速3kmと時速5kmの調和平均になります.

また, 電気回路において並列接続された抵抗器の合成抵抗も調和平均によって求められます.

4. その他の平均に関する話題

一般化平均

上で紹介した3種類の平均は, 一般化して同じ形で書くことができます.

\displaystyle\mu_m=\sqrt[m]{\frac{1}{m} \sum_{k=1}^{n} a_k^k}

を一般化平均といい, 相加平均M, 相乗平均G, 調和平均Hはそれぞれ

M=\mu_1

\displaystyle G=\mu_\infty=\lim_{m\to\infty}\mu_m

H=\mu_{-1}

と表されます.

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