京大2014年度理系第2問(確率)

この記事の所要時間: 433

問題.

2 つの粒子が時刻 0 において \(\triangle{ABC}\) の頂点 \(A\) に位置している. これらの粒子は独立に運動し, それぞれ 1 秒ごとに隣の頂点に等確率で移動していくとする. たとえば, ある時刻で点 C にいる粒子は, その 1 秒後には点 A または点 B にそれぞれ \(\displaystyle \frac{1}{2}\) の確率で移動する. この 2 つの粒子が, 時刻 0 の \(n\) 秒後に同じ点にいる確率 \(p(n)\) を求めよ.

これも京大の確率の問題では定番のパターンです. \(p(n)\) を直接求めるのではなく, 適当な確率を表す変数を \(p(n)\) 以外に自分でおいて漸化式から解いていく問題になっています.

解答.

時刻 \(n\) から \(n\) 秒後に1つの粒子が A, B, C にいる確率をそれぞれ \(a(n), b(n), c(n)\) とおけば, 2つの粒子の移動が互いに独立なので, 求める確率 \(p(n)\) は次のように書けます.

\begin{align}
p(n)=a(n)^2+b(n)^2+c(n)^2 \tag{1}
\end{align}

そこで, \(a(n), b(n), c(n)\) に関して漸化式を立ててそれぞれ求めていきます.

まず, 粒子はいずれかの頂点に必ずいるので,

\[a(n)+b(n)+c(n)=1\]

また, 初期条件として, 時刻0に粒子は点 A にいるので

\[a(0)=1, b(0)=c(0)=0\]

時刻 \(n+1\) に点 A にいるのは, 時刻 n に点 B または C にいるとき確率 \(\displaystyle \frac{1}{2}\) で A に移動するから,

\begin{align*}
a(n+1) &= \frac{1}{2}b(n)+\frac{1}{2}c(n)\\
&= \frac{1}{2}(1-a(n))
\end{align*}

同様にして, \(b(n), c(n)\) についても以下の漸化式が成り立ちます.

\begin{align*}
b(n+1)=\frac{1}{2}(1-b(n))
\end{align*}

\begin{align*}
c(n+1)=\frac{1}{2}(1-c(n))
\end{align*}

ここで, 上の漸化式から,

\begin{align*}
a(n+1)-\frac{1}{3}=-\frac{1}{2}\left(a(n)-\frac{1}{3}\right)
\end{align*}

よって, \(\displaystyle \{a(n)-\frac{1}{3}\}\) は初項 \(\displaystyle \frac{2}{3}\), 公比 \(\displaystyle -\frac{1}{2}\) の等比数列で,

\begin{align*}
a(n)=\frac{1}{3}+\frac{2}{3}\left(-\frac{1}{2}\right)^n
\end{align*}

また,

\begin{align*}
b(n+1)-\frac{1}{3}=-\frac{1}{2}\left(b(n)-\frac{1}{3}\right)
\end{align*}

よって, \(\displaystyle \{b(n)-\frac{1}{3}\}\) は初項 \(\displaystyle -\frac{1}{3}\), 公比 \(\displaystyle -\frac{1}{2}\) の等比数列で,

\begin{align*}
b(n)=\frac{1}{3}-\frac{1}{3}\left(-\frac{1}{2}\right)^n
\end{align*}

\(c(n)\) は初項と漸化式が \(b(n)\) と一致しているので, (これは三角形の対称性からも分かることですが)

\begin{align*}
c(n)=b(n)=\frac{1}{3}-\frac{1}{3}\left(-\frac{1}{2}\right)^n
\end{align*}

以上の結果を式(1)に代入して,

\begin{align*}
p(n) &= a(n)^2+b(n)^2+c(n)^2\\
&= \left\{\frac{1}{3}+\frac{2}{3}\left(-\frac{1}{2}\right)^n\right\}^2+2\left\{\frac{1}{3}-\frac{1}{3}\left(-\frac{1}{2}\right)^n\right\}^2\\
&= \frac{2}{3}\left(\frac{1}{2}\right)^{2n}+\frac{1}{3}
\end{align*}

最後の \(p(n)\) の計算間違いは気を付けなければならないですが, 解き方自体はさほど難しくないです.

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