三角関数の加法定理

この記事の所要時間: 616

三角関数の加法定理

\(\sin(x+y)=\sin{x}\cos{y}+\cos{x}\sin{y}\)

\(\sin(x-y)=\sin{x}\cos{y}-\cos{x}\sin{y}\)

\(\cos(x+y)=\cos{x}\cos{y}-\sin{x}\sin{y}\)

\(\cos(x-y)=\cos{x}\cos{y}+\sin{x}\sin{y}\)

\(\displaystyle \tan(x+y)=\frac{\tan{x}+\tan{y}}{1-\tan{x}\tan{y}}\)

\(\displaystyle \tan(x-y)=\frac{\tan{x}-\tan{y}}{1+\tan{x}\tan{y}}\)

この定理は, 三角関数の他の定理(2倍角の定理, 半角の定理, 三角関数の合成など)を導ける, 重要な定理です. 必ず覚えておきましょう. \(\tan{}\) の加法定理は, 「1引くタンタン分のタン足すタン」のようなリズムで覚えると忘れにくいです.

例.

\begin{align*}
\sin{75^\circ} &= \sin{45^\circ}\cos{30^\circ}+\cos{45^\circ}\sin{30^\circ}\\
&= \frac{\sqrt{2}}{2}\cdot \frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\sqrt{2}}{2}\cdot \frac{1}{2}\\
&= \frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}
\end{align*}

以下では, この定理の証明をします. 教科書では図形から証明することが多いですが, ここではベクトルの内積を使った方法で示します.

証明.

この証明では \(x, y\) 座標を用いるので, 上の定理の式の \(x, y\) を \(\theta, \phi\) とした形で示します.

まず, 単位円上に2点 \(A(\cos{\theta}, \sin{\theta})\), \(B(\cos{\phi}, \sin{\phi})\) をとります. このとき,

\begin{align}
\overrightarrow{OA}\cdot\overrightarrow{OB}=\cos{\theta}\cos{\phi}+\sin{\theta}\sin{\phi} \tag{1}
\end{align}

ですが, 一方で, 2 つのベクトル \(\overrightarrow{OA}\) と \(\overrightarrow{OB}\) のなす角が \(\theta-\phi\) なので, 内積の定義から,

\begin{align}
\overrightarrow{OA}\cdot\overrightarrow{OB} &=|\overrightarrow{OA}|\cdot|\overrightarrow{OB}|\cdot\cos(\theta-\phi)\\
&= \cos(\theta-\phi)\tag{2}
\end{align}

よって,

\begin{align}
\cos(\theta-\phi) = \cos{\theta}\cos{\phi}+\sin{\theta}\sin{\phi} \tag{3}
\end{align}

後は, \(\cos(-\phi)=\cos{\phi}\), \(\sin(-\phi)=-\sin{\phi}\) を使って,

\begin{align}
\cos(\theta+\phi) &= \cos\{\theta-(-\phi)\}\\
&= \cos{\theta}\cos(-\phi)+\sin{\theta}\sin(-\phi)\\
&= \cos{\theta}\cos{\phi}-\sin{\theta}\sin{\phi} \tag{4}
\end{align}

また, \(\cos\left(\frac{\pi}{2}-x\right)=\sin{x}\), \(\sin\left(\frac{\pi}{2}-x\right)=\cos{x}\)の変形を用いて,

\begin{align}
\sin(\theta+\phi) &= \cos\left(\frac{\pi}{2}-(\theta+\phi)\right)\\
&= \cos\left((\frac{\pi}{2}-\theta)-\phi\right)\\
&= \cos\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right)\cos{\phi}+\sin\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right)\sin{\phi}\\
&= \sin{\theta}\cos{\phi}+\cos{\theta}\sin{\phi} \tag{5}
\end{align}

\(\cos{}\) のとき同様にして,

\begin{align}
\sin(\theta-\phi) &= \sin{\theta}\cos(-\phi)+\cos{\theta}\sin(-\phi)\\
&= \sin{\theta}\cos{\phi}-\cos{\theta}\sin{\phi} \tag{6}
\end{align}

ただし, この証明が成り立つためには, \(\cos\left(\frac{\pi}{2}-x\right)=\sin{x}\), \(\sin\left(\frac{\pi}{2}-x\right)=\cos{x}\) を式(5)の前に示しておく必要があるが, 前者は式(3)から求まり, 後者はそれを使えば

\begin{align}
\sin\left(\frac{\pi}{2}-x\right) &= \cos\left(\frac{\pi}{2}-\left(\frac{\pi}{2}-x\right)\right)\\
&= \cos{x} \tag{7}
\end{align}

となります.

また, \(\tan{}\) の加法定理については,

\begin{align}
\tan(x\pm y) &= \frac{\sin(x\pm y)}{\cos(x\pm y)}\\
&= \frac{\sin{x}\cos{y}\pm\cos{x}\sin{y}}{\cos{x}\cos{y}\mp\sin{x}\sin{y}}\\
&= \frac{\frac{\sin{x}}{\cos{x}}\pm\frac{\sin{y}}{\cos{y}}}{1\mp\frac{\sin{x}}{\cos{x}}\cdot\frac{\sin{y}}{\cos{y}}}\\
&= \frac{\tan{x}\pm\tan{y}}{1\mp\tan{x}\tan{y}} \tag{8}
\end{align}

となります.

スポンサーリンク
sub2
sub2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください