京大2016年度理系第2問(整数問題)

この記事の所要時間: 321

問題.

素数 \(p, q\) を用いて

\(p^q+q^p\)

と表される素数をすべて求めよ.

素数に関する整数問題です. 答えだけなら簡単に(当てはめて)求まりますが, それ以外に答えがないことを示す必要があります. \(p, q\) に小さい素数を当てはめてみることで解答の糸口を探します.

解答.

与えられた式の対称性から, \(p\leqq q\) としてよい.

[1] \(p=2\), \(q=2\) のとき

\(p^q+q^p=2^2+2^2=8\) より素数でない.

[2] \(p=2\), \(q=3\) のとき

\(p^q+q^p=2^3+3^2=17\) より素数である.

[3] \(p=2\), \(q\geqq 5\)のとき

5 以上の素数は, 自然数 \(n\) を用いて \(6n\pm 1\) と書くことができる

($\because$ 6 で割った余りが 0, 2, 3, 4 である自然数はそれぞれ 6, 2, 3, 2 の倍数となり素数でない).

このとき,

\begin{align*}
p^q+q^p &= 2^{6n\pm 1}+(6n\pm 1)^2\\
&\equiv (-1)^{6n\pm 1}+(\pm 1)^2\\
&\equiv -1+1\\
&\equiv 0
\end{align*}

ただし, \(A\equiv B\) は \(A-B\) が 3 で割り切れる (つまり, \(A\) と \(B\) を 3 で割った余りが等しい)ことを表し, \(2\equiv -1\), \(6n\pm 1\equiv \pm 1\) を途中で用いています.

(これを合同式といいます. 合同式についてはこちら. )

よって, \(p^q+q^p\) は 3 の倍数であって, \(p^q+q^p>p+q>3\) より, これは素数でない.

[4] \(p\geqq 3\), \(q\geqq 3\) のとき

\(p, q\) はともに奇数なので, \(p^q+q^p\) は偶数となり, \(p^q+q^p>p+q>2\) なので, \(p^q+q^p\) は素数でない.

[1]~[4]より, 素数 \(p, q\) を用いて \(p^q+q^p\) と表される素数は17のみ.

追記.

上にも書きましたが, 今回のような問題では, まず \(p, q\) としていくつか素数を当てはめて \(p^q+q^p\) が素数になるかを調べてから解答の糸口を探します. まず, 場合分けの[1], [2], [4]の場合はすぐに気が付きますが, [3]の証明が問題です. 実際に小さい素数を当てはめると,

\(2^5+5^2=57=3\cdot 19\), \(2^7+7^2=177=3\cdot 59\) などから, \(p^q+q^p\) が3の場合になると言えそうです. そこで, 5 以上の素数が \(6n\pm 1\) と書けることを利用して証明ができました.

このような問題では, 3 以上の素数が \(4n\pm 1\) や \(6n\pm 1\) と表されることを使うことがあるので, 覚えておきましょう.

大学入試の実際の答案では, 高校までで習わないもの(今回の場合, 合同式 \(\equiv\))は自分で定義したうえでなら用いてかまいません. (裏を返すと, 高校で習わない内容や記号を勝手に使うと, 減点されることがあるので, 注意しましょう. )

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