いろいろな証明の方法

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いろいろな証明の方法

数学の証明にはいろいろなパターンがありますが, ここでは証明でよく使う代表的な証明方法をいくつか挙げて説明します.

代表的な証明方法

代表的な証明方法として, 以下の6つを説明します.

  1. 対偶法
  2. 背理法
  3. 無限降下法
  4. 数学的帰納法
  5. 反例を挙げる
  6. 同値である(必要十分条件である)ことを示す場合

3の無限降下法は高校で学習しませんが, 考え方を知っておくとよいでしょう.

以下の説明の中で, P, Q, Rなどの大文字はある命題を表していて, \overline{P}Pの否定, つまりPではない, ということを表すものとします.

1. 対偶法

P\Rightarrow Qを証明するときに, その対偶である\overline{Q}\Rightarrow\overline{P}を証明する方法.

証明すべき内容がPならばQのように仮定と結論がはっきりしているときに使います.

例. )

問. n^2が奇数のときnも奇数であることを示せ.

解答. 「n^2が奇数⇒nが奇数」の対偶は「nが偶数⇒n^2が偶数」なので, これを示せばよい.

nが偶数よりn=2m(m:自然数)と書け,

n^2=(2m)^2=4m^2より

n^2は偶数となる.

2. 背理法

P\Rightarrow Qを証明するときに, Pかつ\overline{Q}を仮定して矛盾を導く方法.

結論Qの否定を仮定して議論することで矛盾を導き, 仮定した\overline{Q}が正しくない, つまりQが成り立つという考え方をする方法です. 対偶法では\overline{P}を導きましたが, 背理法で導く矛盾は\overline{P}に限らず, 数学の何らかの定理や定義に矛盾する内容を導いてもかまいません.

但し, 結論の否定を仮定してから矛盾を導くまでの間に出てくる式や命題は, 実際には正しくない\overline{Q}から導かれるため必ずしも正しいとは限らないことに注意してください.

有名な例を下にあげておきます.

例.)

問. \sqrt{2}が無理数であることを証明せよ.

解答. \sqrt{2}が有理数であると仮定すると, \displaystyle \sqrt{2}=\frac{q}{p}  (p, qは互いに素な自然数)と書くことができる.

両辺を2乗して

\displaystyle 2=\frac{q^2}{p^2}

2p^2=q^2

左辺は偶数なので右辺のq^2も偶数, つまりqは偶数となり,

q=2q^\prime(q^\primeは自然数)

と書け, 2p^2=q^2=4q^\prime^2より

p^2=2q^\prime^2

右辺が偶数なので左辺も偶数でpは偶数となる.

よって, p, qが互いに素であることに矛盾するので, \sqrt{2}は無理数.

3. 無限降下法

「~を満たす自然数の組が存在しない」ことを示すときの方法. 背理法の一種.

例を挙げて説明します.

a^4+b^4=c^4を満たす自然数(a, b, c)の組が存在しないことを示すとき,

a^4+b^4=c^4を満たす自然数の組が存在することを仮定し,

a^\prime^4+b^\prime^4=c^\prime^4

かつ

(a^\prime<a または b^\prime<b または c^\prime<c)

を満たす自然数(a^\prime, b^\prime, c^\prime)の組が存在することを示します.

すると, 同じ変形をくり返して元の式を満たす自然数を無限に小さくとれることになります.

(つまり, a, b, cからa^\prime, b^\prime, c^\primeを導いたようにa^\prime, b^\prime, c^\primeから新たなa^{\prime\prime}, b^{\prime\prime}, c^{\prime\prime}を導くことができ, 同じことを何回でもできるので).

自然数は1以上なので無限に小さくとることはできず, 矛盾することになります.

\sqrt{2}が無理数であることを無限降下法で証明してみます.

\sqrt{2}が有理数であると仮定すると, \displaystyle \sqrt{2}=\frac{q}{p}と書ける. (p, qは自然数).

(ここでpqが互いに素である必要はないことに注意).

両辺2乗してp^2を掛ければ

2p^2=q^2

となり, qが偶数となるのでq=q^\prime(q^\primeは自然数).

代入して両辺2出割ると

p^2=2q^2

となり, pが偶数となるのでp=2p^\prime(p^\primeは自然数)

すると, はじめの式に代入して,

(1) \begin{eqnarray*} \displaystyle \sqrt{2}&=&\frac{q}{p}\\ &=& \frac{2q^\prime}{2p^\prime}\\ &=& \frac{q^\prime}{p^\prime} \end{eqnarray*}

となり, p^\prime<p, q^\prime<qも考慮すれば, 同じ計算をくり返すと\sqrt{2}を分数で表すときは分母, 分子を無限に小さくできてしまう. しかし, 自然数は1以上なので無限に小さくできないはずであって, 矛盾する.

よって\sqrt{2}は無理数である.

続きは次の記事に書きます

残りの証明方法4~6は次の記事に書きます.

また, 上で紹介した証明方法を利用する問題の例についても書いて後でリンクを貼っておきます.

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