京大2010年度理系[甲]第4問(数学的帰納法)

この記事の所要時間: 226

問題.

数列 \(\{a_n\}\) は, すべての正の整数 \(n\) に対して \(\displaystyle 0\leqq 3a_n\leqq\sum_{k=1}^n a_k\) を満たしているとする. このとき, すべての \(n\) に対して \(a_n=0\) であることを示せ.

数学的帰納法の次のような特別なパターンを使う問題です. このパターンを知っていれば比較的簡単に解けます.

[1] \(n=1\) のときを示す.

[2] \(n=1, 2, \cdots, m\) について成り立つなら \(n=m+1\) でも成り立つことを示す.

\(n=m+1\) の場合を示すのに, \(n=1\) から \(n=m\) のすべての場合の仮定が必要になっています.

解答.

\begin{align*}
0\leqq 3a_n \leqq\sum_{k=1}^n a_k
\end{align*}

数学的帰納法で示します.

[1] \(n=1\) のとき

(1)で \(n=1\) とすると,

\(0\leqq 3a_1\leqq a_1\)

となり,

\(0\leqq 3a_1\) より \(0\leqq a_1\)

\(3a_1\leqq a_1\) より \(2a_1\leqq 0\) なので \(a_1\leqq 0\)

よって, \(0\leqq a_1\leqq 0\) より \(a_1=0\)

[2] \(n=1, 2, \cdot, m\) について \(a_n=0\) が成り立つと仮定すると,

\(a_1=a_2=\cdots=a_m=0\) なので,

\begin{align*}
\sum_{k=1}^{m+1} a_k &= a_1+a_2+\cdots+a_m+a_{m+1}\\
&= 0+0+\cdots+0+a_{m+1}\\
&= a_{m+1}
\end{align*}

となり,

(1)で \(n=m+1\) としたものを考えると

\(0\leqq 3a_{m+1}\leqq a_{m+1}\)

\(0\leqq 3a_{m+1}\) より \(0\leqq a_{m+1}\)

\(3a_{m+1}\leqq a_{m+1}\) より \(2a_{m+1}\leqq 0\) なので, \(a_{m+1}\leqq 0\)

よって, \(0\leqq a_{m+1}\leqq 0\) より \(a_{m+1}=0\).

したがって, [1][2]よりすべての \(n\) について \(a_n=0\) である.

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