チェバの定理の逆の利用例

この記事の所要時間: 449

チェバの定理の逆

チェバの定理の逆は以下のようなものでした.

\triangle{ABC}の辺BC, CA, ABまたはその延長上にそれぞれ点P, Q, Rがあり, この3点のうち1個または3個が辺上の点であるとする. このとき,

BQCRが交わり, かつ

\displaystyle \frac{BP}{PC}\cdot\frac{CQ}{QA}\cdot\frac{AR}{RB}=1

が成り立つならば, 3直線AP, BQ, CRは1点で交わる.

Ceva1Ceva2

今回は, この定理の利用例として, 三角形の重心, 内心, 垂心の存在証明をしてみます.

重心の存在

三角形の重心 :

三角形の3本の中線(頂点と向かい合った辺の中点を結ぶ線分)は1点で交わり, その点を重心という.

三角形の3本の中線が1点で交わることを示します.

証明.

図のように\triangle{ABC}の辺BC, CA, ABの中点をそれぞれD, E, Fとします. center_of_trianglge

すると, 中線の定義から

(1) \begin{eqnarray*} BD &=& CD\\ CE &=& AE\\ AF &=& BF \end{eqnarray*}

なので,

(2) \begin{eqnarray*} \frac{BD}{DC}\cdot \frac{CE}{EA}\cdot\frac{AF}{FB} &=& 1\cdot 1\cdot 1\\ &=& 1 \end{eqnarray*}

となるので, チェバの定理の逆により3本の中線は1点で交わります.

内心の存在

三角形の内心  :

三角形の3つの内角の2等分線は1点で交わり, その交点を内心という.

三角形の3つの内角の二等分線が1点で交わることを示します.

証明.

図のように角A, B, Cの2等分線が辺BC, CA, ABと交わる点をそれぞれP, Q, Rとします. inner_center

角の2等分線の定理により,

BP : PC = AB : ACなので\displaystyle \frac{BP}{PC}=\frac{AB}{AC}

同様に,

CQ : QA = BC : BAなので\displaystyle \frac{CQ}{QA}=\frac{BC}{BA}

AR : RB = CA : CBなので\displaystyle \frac{AR}{RB}=\frac{CA}{CB}

以上を辺々掛けて,

(3) \begin{eqnarray*} \frac{BP}{PC}\cdot\frac{CQ}{QA}\cdot\frac{AR}{RB} &=& \frac{AB}{AC}\cdot\frac{BC}{BA}\cdot\frac{CA}{CB}\\ &=& 1 \end{eqnarray*}

となるので, チェバの定理の逆によりAP, BQ, CRは1点で交わります.

垂心の存在

三角形の垂心 :

三角形の各頂点から対辺(またはその延長)に下ろした垂線は, 1点で交わり, その点を垂心という.

証明.

(ここでは鋭角三角形の場合を証明します. 直角三角形, 鈍角三角形の場合も同様にして証明できます. )

\triangle{ABC}の各頂点A, B, Cから対辺に下ろした垂線の足をそれぞれP, Q, Rとします. orthocenter

\triangle{ABP}\triangle{CBR}において,

\angle{B}が共通で,

\angle{BPA}=\angle{BRC}=90^\circ

より, 2組の角がそれぞれ等しく

\triangle{ABP}\trianagle{CBR}

よって,

\displaystyle \frac{BP}{BR} = \frac{AB}{CB}

同様にして,

\triangle{BCQ}\triangle{ACP}より

\displaystyle \frac{CQ}{CP}=\frac{BC}{AC}

\triangle{ACR}\triangle{ABQ}より

\displaystyle \frac{AR}{AQ}=\frac{CA}{BA}

以上より,

(4) \begin{eqnarray*} \frac{BP}{PC}\cdot\frac{CQ}{QA}\cdot\frac{AR}{RB} &=& \frac{BP}{RB}\cdot\frac{CQ}{PC}\cdot\frac{AR}{QA}\\ &=& \frac{AB}{CB}\cdot\frac{BC}{AC}\cdot\frac{CA}{BA}\\ &=& 1 \end{eqnarray*}

となるので, チェバの定理の逆によりAP, BQ, CRは1点で交わります.

スポンサーリンク
sub2
sub2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください