絶対値の入った定積分(自作問題1-(3))

この記事の所要時間: 352

問題.

今回は自作問題集の1-(3), 絶対値を含む定積分の問題の解答・解説をします.

問題 .

\displaystyle \int_{-1}^{1} \frac{|x^3|e^{x^2}}{1+e^x} \,dxの値が\displaystyle \int_{0}^{1} x^3e^{x^2} \,dxの値に等しいことを示し, その値を計算せよ.

被積分関数\displaystyle \left( \frac{|x^3|e^{x^2}}{1+e^x}\right)に絶対値が含まれているので, 絶対値の中が正である範囲と負である範囲に分けて積分します. そのうち一方を置換積分を用いて変形することで, \displaystyle \int_{0}^{1} x^3e^{x^2} \,dxに等しいことを示すことができます.

(1+e^x)\cdot(1+e^{-x})=(1+e^x)+(1+e^{-x})となることを利用した問題です.

その後の計算は, 部分積分を用いると簡単に計算できます.

解答例.

\begin{equation*} \int_{-1}^{1} \frac{|x^3|e^{x^2}}{1+e^x} \,dx = \int_{-1}^{0} \left(-\frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x}\right) dx + \int_{0}^{1} \frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x} \,dx \end{equation*}


x=-t とおくと, dx=-dt で, x:-1\to0 のとき t:1\to0 なので,

\begin{eqnarray*} \int_{-1}^{0} -\frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x} \,dx &=& \int_{1}^{0} -\frac{(-t)^3e^{(-t)^2}}{1+e^{-t}}\cdot(-1) \,dt\\ &=& \int_{0}^{1} \frac{t^3e^{t^2}}{1+e^{-t}} \,dt\\ &=& \int_{0}^{1} \frac{x^3e^{x^2}}{1+e^{-x}} \,dx \end{eqnarray*}


よって,

\begin{eqnarray*} \int_{-1}^{1} \frac{|x^3|e^{x^2}}{1+e^x} \,dx &=& \int_{0}^{1} \frac{x^3e^{x^2}}{1+e^{-x}} \,dx + \int_{0}^{1} \frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x} \,dx \\ &=& \int_{0}^{1} \left(\frac{x^3e^{x^2}}{1+e^{-x}}+\frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x}\right) \,dx \\ &=& \int_{0}^{1} \left(\frac{1}{1+e^{-x}}+\frac{1}{1+e^x}\right)x^3e^{x^2} \,dx\\ &=& \int_{0}^{1} \frac{(1+e^x)+(1+e^{-x})}{(1+e^{-x})(1+e^x)} x^3e^{x^2} \,dx\\ &=& \int_{0}^{1} \frac{e^x+e^{-x}+2}{e^x+e^{-x}+2}x^3e^{x^2} \,dx\\ &=& \int_{0}^{1} x^3e^{x^2} \,dx\\ &=& \left[\frac{1}{2}x^2e^{x^2}\right]_{0}^{1}-\int_{0}^{1} xe^{x^2} \,dx\\ &=& \frac{1}{2}e-\Big[\frac{1}{2}e^{x^2}\Big]_{0}^{1}\\ &=& \frac{1}{2}e-\left(\frac{1}{2}e-\frac{1}{2}\right)\\ &=& \frac{1}{2} \end{eqnarray*}

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