区分求積法を用いた極限の計算(自作問題1-(4))

この記事の所要時間: 336

問題.

自作問題集の1-(4), 区分求積法を用いた極限の計算の問題の解答, 解説をします.

問題. 

次の極限(*)はある実数値に収束する. 区分求積法を用いてその値を求めよ. 但し, aは1でない正の実数とする.

\displaystyle (*):\lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt[n]{a}}{n(\sqrt[n]{a}-1)}

与えられた式の形では, 区分求積法が使えません.

区分求積法:

\displaystyle \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1 f(x)dx

そこで, a\neq 1であることを使って区分求積法の使える形に変形します.

解答例.

問題文である実数値に収束することが分かっているので,

\begin{equation*} S = \lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt[n]{a}}{n(\sqrt[n]{a}-1)} \end{equation*}

とおく. a\neq 1なので, 両辺にa-1を掛けて計算すると,

\begin{eqnarray*} (a-1)S &=& (a-1)\lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt[n]{a}}{n(\sqrt[n]{a}-1)}\\ &=& \lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt[n]{a}(a-1)}{n(\sqrt[n]{a}-1)}\\ &=& \lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt[n]{a}}{n}\cdot\left(a^{\frac{n-1}{n}}+a^{\frac{n-2}{n}}+\cdots+1\right)\\ &=& \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\cdot\left(a+a^{\frac{n-1}{n}}+\cdots+a^{\frac{1}{n}}\right)\\ &=& \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} a^{\frac{k}{n}}\\ &=& \int_{0}^{1} a^x dx\\ &=& \left[\frac{a^x}{\log{a}}\right]_{0}^{1}\\ &=& \frac{a-1}{\log{a}} \end{eqnarray*}

よって,

\begin{equation*} S = \frac{1}{\log{a}} = \log_{a}{e} \end{equation*}

追記.

今回は問題文の中で収束することが分かっていたので, その値をSとおいて, (a-1)倍したものを計算しましたが,

\begin{equation*} \sqrt[n]{a}-1 = \frac{a-1}{a^{\frac{n-1}{n}}+a^{\frac{n-2}{n}}+\cdots+1} \end{equation*}

であることをはじめから用いて,

\begin{equation*} \lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt[n]{a}}{n(\sqrt[n]{a}-1)} = \lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt[n]{a}\left(a^{\frac{n-1}{n}}+a^{\frac{n-2}{n}}+\cdots+1\right)}{n(a-1)} \end{equation*}

と変形して解くこともできます.

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『区分求積法を用いた極限の計算(自作問題1-(4))』へのコメント

  1. 名前:赤毛のアン 投稿日:2016/04/04(月) 12:35:34 ID:f6ccb32df 返信

    園値って何ですか?調べてもわかりませんでした。

    • 名前:黒猫の三角 投稿日:2016/04/04(月) 13:57:04 ID:f6ccb32df 返信

      追記の部分ですね. 「その値」の変換ミスでしたので, 訂正しておきました.

  2. 名前:とんぷく 投稿日:2018/02/04(日) 15:30:48 ID:4e25c47c0 返信

    分子はどうせ1に行くからいらなくないでしょうか??
    また別解として分母の極限の計算はa^xの原点での微分係数に終息するという答え方もあると思います(*´-`)

    • 名前:黒猫の三角 投稿日:2018/02/04(日) 16:00:13 ID:16bb46e12 返信

      コメントありがとうございます.
      >分子はどうせ1に行くからいらなくないでしょうか??
      その通りです. 分子が1だとしても区分求積法でk=0からn-1で同じ答えになります.
      > また別解として分母の極限の計算はa^xの原点での微分係数に終息するという答え方もあると思います(*´-`)
      そうですね, 微分係数の定義を使って求めることもできます. この問題は区分求積法を使う問題を作りたくてできた問題なので, 解答例としてその方法を載せていました. 別解として, その方法も追加で載せさせていただきます.

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