シムソンの定理の極座標による証明

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シムソンの定理

定理.

三角形 ABC の外接円の円周上に, 3 点 A, B, C とは異なる点 O をとる.

O から 3 直線 AB, BC, CA に下ろした垂線の足をそれぞれ P, Q, R とすると, 3 点 P, Q, R は同一直線上にある.

このときの 3 点 P, Q, R を通る直線のことを, シムソン線といいます.

この定理自体は, 三角形や円に関する角度の性質を用いると非常に簡単に証明できるのですが, ここでは極座標平面を用いた証明を紹介します.

(私が高校のときの問題集に問題として載っていたのですが, 途中の計算が非常にややこしいです. )

極座標を用いた証明.

まず, 極座標平面で極 O と極座標 (a, 0) , (a>0) の点を結ぶ線分を直径とする円で考えます. ここで, 極 O は定理の中の点 O とします.

円周上の 3 点 A, B, C の偏角をそれぞれ \alpha, \beta, \gamma とすると, 3 点の極座標は,

\begin{eqnarray*} \left\{ \begin{array}{l} A(a\cos\alpha, \alpha)\\ B(a\cos\beta, \beta)\\ C(a\cos\gamma, \gamma) \end{array} \right. \end{eqnarray*}

補題1.

2 点 P, Q の極座標が P(k\cos\alpha, \alpha), Q(k\cos\beta, \beta) で表されるとき, 直線 PQ の極方程式は

\begin{equation*} r\cos{(\theta-\alpha-\beta)} = k\cos\alpha\cos\beta. \end{equation*}

ただし, -\dfrac{\pi}{2}<\alpha<\dfrac{\pi}{2}, -\dfrac{\pi}{2}<\beta<\dfrac{\pi}{2}, \alpha\neq\beta.

証明.

直交座標に直すと, P, Q の座標は

\begin{eqnarray*} P(k\cos^2\alpha, k\cos\alpha\sin\alpha)\\ Q(k\cos^2\beta, k\cos\beta\sin\beta) \end{eqnarray*}

直線 PQ の直交座標での方程式は,

\begin{eqnarray*} (k\cos^2\alpha-k\cos^2\beta)(y-k\cos\alpha\sin\alpha)\\ \quad\quad\quad = (k\cos\alpha\sin\alpha-k\ocs\beta\sin\beta)(x-k\cos^2\alpha) \end{eqnarray*}

P, Q が異なる点なので, k\neq 0 であること, \sin(\alpha-\beta)\neq 0 などを用いて変形していくと,

\begin{equation*} \cos(\alpha+\beta) \cdot x + \sin(\alpha+\beta)\cdot y = k\cos\alpha\cos\beta \end{equation*}

x=r\cos\theta, y=r\sin\theta を用いると,

\begin{equation*} r\cos(\theta-\alpha-\beta) = k\cos\alpha\cos\beta. \end{equation*}

補題2.

O から, 極方程式

\begin{equation*} r\cos(\theta-\alpha) = p \end{equation*}

で表される直線に下ろした垂線の足の極座標は, (p, \alpha) となる.

証明. 

右図を考えれば明らか.

補題3.

異なる 2 点 P, Q の極座標が

\begin{eqnarray*} P(k\cos\alpha\cos\beta, \alpha+\beta)\\ Q(k\cos\beta\cos\gamma, \beta+\gamma) \end{eqnarray*}

のとき, 直線 PQ の極方程式は

\begin{equation*} r\cos(\theta-\alpha-\beta-\gamma)=k\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma \end{equation*}

となる.

証明.

直交座標に直して直線の方程式を求めてももちろんできますが, 式が複雑になるので, ここでは導出は省きます.

ただ,

\begin{equation*} r\cos(\theta-\alpha-\beta-\gamma)=k\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma \end{equation*}

r = k\cos\alpha\cos\beta, \theta=\alpha+\beta を代入すると成り立つので, この結果が正しいことの確認は簡単にできます.

シムソンの定理の証明(続き)

補題1. を使うと, 直線 AB, BC, CA の方程式はそれぞれ,

\begin{eqnarray*} \left\{ \begin{array}{l} r\cos(\theta-\alpha-\beta)=a\cos\alpha\cos\beta\\ r\cos(\theta-\beta-\gamma)=a\cos\beta\cos\gamma\\ r\cos(\theta-\gamma-\alpha)=a\cos\gamma\cos\alpha \end{array} \right. \end{eqnarray*}

になります.

これらに極 O から下ろした垂線の足 P, Q, R の極座標は, 補題2. により,

\begin{eqnarray*} \left\{ \begin{array}{l} P(a\cos\alpha\cos\beta, \alpha+\beta)\\ Q(a\cos\beta\cos\gamma, \beta+\gamma)\\ R(a\cos\gamma\cos\alpha, \gamma+\alpha) \end{array} \right. \end{eqnarray*}

ここで, 補題3. を使うと, 明らかに直線 PQ と直線 QR の極方程式は一致します.

よって, 3 点 P, Q, R が同一直線上にあることが証明できました.

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