極形式を用いる問題例

この記事の所要時間: 512

前回の記事で, 複素数の極形式を説明しました.

極形式

\begin{align*} z = r(\cos\theta+i\sin\theta) \end{align*}

(r\geqq 0, 0\leqq\theta<2\pi)

i は虚数単位 i=\sqrt{-1}

ここでは, 極形式を用いて解く問題とその解法を紹介します.

極形式を使う問題の例.

問 1.

次の方程式の解 z をすべて求めよ.

\begin{align*} z^6 = 1 \end{align*}

この問題は右辺の 1 を左辺に移項して因数分解すれば

\begin{align*} (z+1)(z-1)(z^2+z+1)(z^2-z+1)=0 \end{align*}

となり, 簡単に解を求められますが, ここでは極形式を用いて解いてみましょう.

まず, z を極形式で z = r(\cos\theta+i\sin\theta), (r\geqq 0, 0\leqq\theta<2\pi) とおきます.

すると, ド・モアブルの定理から

\begin{align*} z^6 = r^6(\cos{6\theta}+i\sin{6\theta}) \end{align*}

一方で, 方程式の右辺の 1 は,

\begin{align*} 1 &= 1\cdot(\cos{0}+i\sin{0})\\ &= 1\cdot(\cos{2n\pi}+i\sin{2n\pi}) \end{align*}

と書けます.

ここで, 0\leqq\theta<2\pi より, 0\leqq6\theta<12\pi なので,

n=0, 1, 2, 3, 4, 5.

\begin{align*} r^6(\cos{6\theta}+i\sin{6\theta}) = 1\cdot(\cos{2n\pi}+i\sin{2n\pi}) \end{align*}

(n = 0, 1, 2, 3, 4, 5)

より,

\begin{align*} r &= 1\\ \theta &= \frac{n}{3}\pi\\ &= 0, \frac{\pi}{3}, \frac{2}{3}\pi, \pi, \frac{4}{3}\pi, \frac{5}{3}\pi \end{align*}

よって,

\begin{align*} z &= 0, \frac{1+\sqrt{3}i}{2}, \frac{-1+\sqrt{3}i}{2}, \\ &\, -1, \frac{-1-\sqrt{3}i}{2}, \frac{1-\sqrt{3}i}{2} \end{align*}

この問題と同様にして, z^n=1 を満たす z

\begin{align*} z &= \cos{\frac{2k\pi}{n}}+i\sin{\frac{2k\pi}{n}}\\ &\, (k=0, 1, \ldots, n-1) \end{align*}

と求めることができます.

問 2.

複素数 z

\begin{align*} z + \frac{1}{z} = \sqrt{2} \end{align*}

を満たすとき,

\begin{align*} z^{12}+\frac{1}{z^{12}} \end{align*}

の値を求めよ.

このような問題では, z+\dfrac{1}{z} の値から, z^2+\dfrac{1}{z^2}, z^3+\dfrac{1}{z^3} などの値を順番に計算していくことが多いですが, ここでは z を実際に求めて, 計算していきます.

z+\dfrac{1}{z}=\sqrt{2} より, z^2-\sqrt{2}z+1=0 なので, 解の公式を使って解くと,

\begin{align*} z &= \frac{\sqrt{2}\pm\sqrt{2}i}{2}\\ &= \cos{\frac{\pi}{4}}\pm i\sin{\frac{\pi}{4}}\\ &= \cos{\left(\pm\frac{\pi}{4}\right)}+i\sin{\left(\pm\frac{\pi}{4}\right)} \end{align*}

(複号同順)

よって,

\begin{align*} z^{12} &= \cos\left(\pm 12\cdot\frac{\pi}{4}\right)+i\sin\left(\pm 12\cdot\frac{\pi}{4}\right)\\ &= \cos(\pm 3\pi)+i\sin(\pm 3\pi)\\ &= -1 \end{align*}

と計算できるので,

\begin{align*} z^{12} + \frac{1}{z^{12}} &= -1 + \frac{1}{-1}\\ &= -2. \end{align*}

となります.

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