自作問題26 (a^b = b^a)

この記事の所要時間: 87

問題.

自作問題の26番 (有名な問題かもしれませんが) です.

問題. 

a^b=b^a かつ 0<a<b を満たす有理数 (a, b) の組を a の値の小さい順に並べたとき, n 番目の組 (n:自然数)は

\begin{align*} (a, b) = \left(\left(1+\frac{1}{n}\right)^n, \left(1+\frac{1}{n}\right)^{n+1}\right) \end{align*}

であることを示せ. 但し, a_n\coloneqq(1+\frac{1}{n})^na_1<a_2<a_3<\cdots を満たす (単調増加列である) ことを用いてよい.

a^b=b^a, a<b を満たす自然数 a, b の組が

\begin{align*} (a, b) = (2, 4) \end{align*}

の 1 組しかないことはよく知られています

(たしかどこかの大学入試でもこれを示す問題があったような…)

ここでは, a, b を有理数にまで拡張した場合を考える問題になっています.

問題の解答の前に

\begin{align*} (a, b) = \left(\left(1+\frac{1}{n}\right)^n, \left(1+\frac{1}{n}\right)^{n+1}\right) \end{align*}

a^b=b^a を満たしているのかを確認してみましょう,

\begin{align*} a^b &= \left\{\left(1+\frac{1}{n}\right)^n\right\}^{\left(1+\frac{1}{n}\right)^{n+1}}\\ &= \left(1+\frac{1}{n}\right)^{n\cdot\left(1+\frac{1}{n}\right)^{n+1}}\\ &= \left(1+\frac{1}{n}\right)^{(n+1)\cdot\left(1+\frac{1}{n}\right)^n}\\ &= \left\{\left(1+\frac{1}{n}\right)^{n+1}\right\}^{\left(1+\frac{1}{n}\right)^n}\\ &= b^a \end{align*}

となり, 確かに a^b=b^a となっています.

では, 以下が証明(問題の解答) です.

解答.

まず, t = \dfrac{a}{b-a}>0 とおくと,

\begin{align*} a:b &= \frac{a}{b-a}:\frac{b}{b-a}\\ &= t : (t+1) \end{align*}

となります. (特殊なおき方なので簡単には思いつかない気がしますが…)

すると, 上の式から

\begin{align*} b = \frac{t+1}{t} a\\ &= \left(1+\frac{1}{t}\right) a\\ &= (1+t^{-1})a \end{align*}

と書けます.

ここで, a^b=b^a に代入していきます.

\begin{align*} a^{(1+t^{-1})a} = \left\{(1+t^{-1})a\right\}^a \end{align*}

少し整理すると,

\begin{align*} a^a\cdot a^{t^{-1}a} = \left(1+t^{-1}\right)^a\cdot a^a \end{align*}

a^a\neq 0 なので, 両辺 a^a で割って,

\begin{align*} a^{t^{-1}a} = \left(1+t^{-1}\right)^a \end{align*}

さらに, 両辺を t/a 乗すれば,

\begin{align*} a = \left(1+t^{-1}\right)^t \end{align*}

また, b=(1+t^{-1})a = (1+t^{-1})^{t+1}.

ここで, t = \frac{a}{b-a} は 有理数であることに注意してください.

ここから, t が有理数のなかでも, 自然数に限られることを示す必要があります.

t は有理数なので, t=\frac{n}{m} (m, n は互いに素な自然数) とおきます.

すると,

\begin{align*} a &= (1+t^{-1})^t\\ &= (1+m/n)^{n/m}\\ &= \left(\frac{m+n}{n}\right)^{n/m} \end{align*}

m, n が互いに素なので, もちろん m+n, n も互いに素で, 上式で表される a が有理数になるためには,

\begin{align*} m+n &= r^m\\ n &= s^m \end{align*}

となる互いに素な自然数 r, s, (r>s) が存在します.

差をとって, m = r^m - s^m.

ここで, m=1 となることを示すのに, 背理法を使います.

m\geqq 2 と仮定すると,

\begin{align*} m = (r-s)(r^{m-1}+r^{m-2}s+\cdots+s^{m-1}) \end{align*}

と因数分解できる.

この右辺について考えると, まず, r-s\geqq 1.

また, r>s\geqq 1 なので

\begin{align*} r^{m-1}+r^{m-2}s+\cdots+s^{m-1} &> 1+1+\cdots+1\\ &= m \end{align*}

以上より,

\begin{align*} (r-s)(r^{m-1}+r^{m-2}s+\cdots+s^{m-1}) > m \end{align*}

となるので, 矛盾.

したがって, m\geqq 2 は誤りで, m=1 となる.

よって, t=n (自然数) となるので,

\begin{align*} (a, b) = \left(\left(1+\frac{1}{n}\right)^n, \left(1+\frac{1}{n}\right)^{n+1}\right) \end{align*}

n が小さい方が a = \left(1+\frac{1}{n}\right)^n は小さいので, 上の式は a の小さい順に並べたときの n 番目の組となります.

追記. (自然数(a, b) の組について)

この記事のはじめにも少し触れた,

\[a^b = b^a\]

を満たす自然数の組が (a, b)=(2, 4) のみであることについて,

上で示した式において a, b が自然数になるのは n=1 のときだけだと分かりますが, これを示す方法としてよく知られているのは次のようなやり方です.

まず, a^b = b^a を対数をとって変形します.

\begin{align*} a^b = b^a \Leftrightarrow \frac{\log{a}}{a} = \frac{\log{b}}{b} \end{align*}

つまり, 関数 y=\frac{\log{x}}{x} を考えたときに, y の値が一致するような 2 つの x の値をとってくるとよいことになります.

y=\frac{\log{x}}{x} を微分してグラフの概形を書いてみると分かるのですが, グラフは x=e で最大値をとり, 1<a<e であることが分かります.

これを満たす自然数 aa=2 だけですね.

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