京大理学部特色 H29年度第2問

この記事の所要時間: 443

問題. 

\(n\) を自然数とする. 実数 \(a_n\) を

\begin{align*}
a_n = \int_{\sqrt{3}}^{2\sqrt{2}} \dfrac{x^{2n-1}}{\sqrt{x^2+1}}\, dx
\end{align*}

で定める.

以下の設問に答えよ.

(1) \(a_1\) と \(a_2\) を求めよ.

(2) すべての自然数 \(n\) に対し, \(a_n\) は正の有理数であることを示せ. さらに, \(a_n\) を互いに素な自然数 \(b_n\) と \(c_n\) を用いて \(a_n = \dfrac{c_n}{b_n}\) と表すとき, \(b_n\) は奇数であることを示せ.

今回は京大の理学部特色入試の問題を解いてみました.

パッと見では (2) が難しそうに見えますが, 与えられた積分の計算ができてしまえばさほど難しくないです.

解答例.

(1) \begin{align*}
a_1 = \int_{\sqrt{3}}^{2\sqrt{2}} \dfrac{x}{\sqrt{x^2+1}}\,dx
\end{align*}

ここで, \(t = \sqrt{x^2+1}\) と置換すると, \(x = \sqrt{t^2-1}\) であり,

\begin{align*}
dx &= \dfrac{t}{\sqrt{t^2-1}}\,dt
\end{align*}

となるので,

\begin{align*}
a_1 &= \int_2^3 \dfrac{\sqrt{t^2-1}}{t}\cdot\dfrac{t}{\sqrt{t^2-1}}\,dt\\
&= \int_2^3 \,dt\\
&= \Big[t\Big]_2^3\\
&= 1
\end{align*}

\(a_2\) についても同様の置換をすると,

\begin{align*}
a_2 &= \int_{\sqrt{3}}^{2\sqrt{2}} \dfrac{x^3}{\sqrt{x^2+1}}\,dx\\
&= \int_2^3 \dfrac{\left(\sqrt{t^2-1}\right)^{3}}{t}\cdot\dfrac{t}{\sqrt{t^2-1}}\,dt\\
&= \int_2^3 (t^2-1)\,dt\\
&= \Big[\frac{1}{3}t^3-t\Big]_2^3\\
&= \frac{16}{3}
\end{align*}

(2) ここでは \(a_n\) に対して, (1) と同じ置換を行います.

\begin{align*}
a_n &= \int_{\sqrt{3}}^{2\sqrt{2}} \dfrac{x^{2n-1}}{\sqrt{x^2+1}}\,dx\\
&= \int_2^3 \dfrac{\left(\sqrt{t^2-1}\right)^{2n-1}}{t}\cdot\dfrac{t}{\sqrt{t^2-1}}\,dt\\
&= \int_2^3 (t^2-1)^{n-1}\,dt
\end{align*}

被積分関数の部分を, 2 項定理を用いて展開して計算していきます.

\begin{align*}
a_n &=  \int_2^3 \sum_{k = 0}^{n-1} \left({}_{n-1}C_k \cdot (t^2)^k\cdot (-1)^{n-1-k}\right)\,dt\\
&= \sum_{k = 0}^{n-1} \left({}_{n-1}C_k \cdot (-1)^{n-1-k}\int_{2}^{3} t^{2k}\,dt\right)\\
&= \sum_{k = 0}^{n-1} \left({}_{n-1}C_k \cdot (-1)^{n-1-k} \Big[\frac{1}{2k+1}t^{2k+1}\Big]_2^3\right)\\
&= \sum_{k = 0}^{n-1} \left({}_{n-1}C_k \cdot (-1)^{n-1-k}\cdot\dfrac{3^{2k+1}-2^{2k+1}}{2k+1}\right)
\end{align*}

この式において, 各項は有理数で, \(a_n\) は有理数を \(n\) 個足し合わせたものであるので, \(a_n\) も有理数となります.

さらに, コンビネーションの \({}_{n-1}C_k\) の部分はすべての整数 \(k = 1, 2, \ldots, n-1\) に対して整数なので, 各項は分母が \(2k+1\) , すなわち分母が奇数(約数に 2 を含まない)であるような分数となっています.

\(a_n\) は分母が奇数である分数の和や差で得られる. 通分することを考えても, その結果の分母は奇数のままであり, さらに計算結果が約分可能であっても, 分母は奇数のままです. したがって, \(b_n\) は奇数となります.

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