神大2017年度理科系 第5問

この記事の所要時間: 546

問題.

f(x) = \dfrac{3}{e^x+1} とする. 以下の問に答えよ.

(1) 正の数 a

\begin{align*} \int_0^a f(t)\,dt = a \end{align*}

を満たすものがただ1つ存在することを示せ.

(2) (1)の a に対し, \log{2}<b<a を満たす b をとる. b\leqq x\leqq a において

\begin{align*} 0\leqq\int_0^a f(t)\,dt-\int_0^{x} f(t)\,dt\leqq f(b)(a-x) \end{align*}

を示せ.

(3) (1) のa に対し, \log{2}<b<a を満たすb をとる. 数列 \{x_n\}x_1=b,

\begin{align*} x_{n+1} = \int_0^{x_n} f(t)\,dt \end{align*}

で定める. このとき

\begin{align*} \lim_{n\to\infty} x_n = a \end{align*}

を示せ.

(1), (2) は微分の問題で比較的易しいと思います.

(3) は数列が a に収束することを示す問題ですが,

\begin{align*} |a-x_{n+1}|\leqq p|a-x_n|,\quad |p|<1 \end{align*}

の形に持ち込む定番の問題です.

解答例. 

(1) まず

\begin{align*} g(x) = \int_0^x f(t)\,dt-x \end{align*}

とおきます. g(x)x で微分すると,

\begin{align*} g^\prime(x) &= f(x)-1\\ &= \dfrac{2-e^x}{e^x+1} \end{align*}

となるので, g^\prime(x)=0 となるのは x=\log{2}.

g(x) の増減表は以下のようになります.

\begin{array}{|c||c|c|c|}\hline x & \cdots & \log{2} & \cdots \\ \hline g^\prime(x) & + & 0 & - \\ \hline g(x) & \nearrow & & \searrow \\ \hline \end{array}

いま, g(0) = 0 なので, x>0 かつ g(x)=0 となるような x がただ1つ存在する.

よって, 題意は示された.

(2) f(x) を微分すると,

\begin{align*} f^\prime(x) &= \dfrac{-3e^x}{e^x+1}\\ &<0 \end{align*}

より, f(x) は単調減少であるので, b\leqq x\leqq a より, x\leqq t\leqq aにおいて 0\leqq f(t)\leqq f(b).

また, すべての x に対して f(x)>0 なので,

\begin{align*} \int_0^a f(t)\,dt-\int_0^{x} f(t)\,dt &= \int_x^a f(t)\,dt\\ &\geqq 0\\ \int_x^a f(t)\,dt \leqq \int_x^a f(b)\,dt\\ &= f(b)(a-x). \end{align*}

これらをまとめると,

\begin{align*} 0\leqq\int_0^a f(t)\,dt-\int_0^{x} f(t)\,dt\leqq f(b)(a-x). \end{align*}

(3) x>a のときを考えると,

\begin{align*} \int_0^a f(t)\,dt-\int_0^x f(t)\,dt &= -\int_a^x f(t)\,dt\\ \geqq -\int_a^x f(b)\,dt\\ &= f(b)(a-x) \end{align*}

ただし, この両辺はともに負なので,

\begin{align*} \left| \int_0^a f(t)\,dt-\int_0^x f(t)\,dt\right| \leqq \left|f(b)(a-x)\right| \end{align*}

が成り立つ.

\begin{align*} \left|a-x_{n+1}\right| &= \left|\int_0^a f(t)\,dt-\int_0^{x_n} f(t)\,dt\right|\\ &\leqq \left|f(b)(a-x_n)\right|\\ &= \left|f(b)\right|\left|a-x_n\right| \end{align*}

この不等式を繰り返し用いると,

\begin{align*} \left|a-x_{n}\right|\leqq\left|f(b)\right|^{n-1}\left|a-b\right| \end{align*}

ここで, f\left(\log{2}\right)=1, \log{2}<bf(x) の単調減少性から, 0<f(b)<1 なので, 上の不等式の右辺は n\to\infty のとき 0 収束する.

よって, はさみうちの原理から

\begin{align*} \lim_{n\to\infty}|a-x_n| &= 0\\ \therefore \lim_{n\to\infty}x_n &= a. \end{align*}

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