神大2017年度理科系 第2問

この記事の所要時間: 656

問題.

\(f(x) = \dfrac{2e^{3x}}{e^{2x}+1}\) とおく. 以下の問に答えよ.

(1) \(a<b\) ならば \(f(a)<f(b)\) であることを示せ. また \(f\left(\log{\sqrt{3}}\right)\) を求めよ.

(2) 関数 \(f(x)\) の逆関数を \(g(x)\) とおく.

\begin{align*}
\int_1^{\frac{3\sqrt{3}}{2}} g(x)\,dx
\end{align*}
を求めよ.

(1) は関数の単調増加性を示すだけなので, 微分すればOKです.

(2) は逆関数の定積分ですが, グラフを考えるとわかりやすいかもしれません.

解答例.

(1) \(f(x)=\dfrac{2e^{3x}}{e^{2x}+1}\) を \(x\) で微分して,

\begin{align*}
f^\prime(x) &= \dfrac{6e^{3x}(e^{2x}+1)-2e^{3x}\cdot 2e^{2x}}{(e^{2x}+1)^2}\\
&= \dfrac{2e^{3x}(e^{2x}+3)}{(e^{2x}+1)^2}\\
&> 0
\end{align*}

より, \(f(x)\) は単調増加なので, \(a<b\) のとき \(f(a)<f(b)\) となります.

また,

\begin{align*}
f\left(\log{\sqrt{3}}\right) &= \dfrac{2(\sqrt{3})^3}{(\sqrt{3})^2+1}\\
&= \dfrac{3\sqrt{3}}{2}.
\end{align*}

(2) (1) より, \(f(x)\) は単調増加なので逆関数 \(g(x)\) が存在します.

部分積分を用いると,

\begin{align*}
\int_1^{\frac{3\sqrt{3}}{2}} g(x)\,dx &= \int_1^{\frac{3\sqrt{3}}{2}} (x)^\prime g(x)\,dx\\
&= \Big[xg(x)\Big]_1^{\frac{3\sqrt{3}}{2}}-\int_1^{\frac{3\sqrt{3}}{2}} xg^\prime(x)\,dx
\end{align*}

第 1 項について, (1) で計算した \(f\left(\log{\sqrt{3}}\right)=\frac{3\sqrt{3}}{2}\) と, \(f(0)=1\) から,

\(g(3\sqrt{3}/2)=\log{\sqrt{3}}, g(1)=0\) なので,

\begin{align*}
\Big[xg(x)\Big]_1^{\frac{3\sqrt{3}}{2}} &= \frac{3\sqrt{3}}{2}\log{\sqrt{3}}.
\end{align*}

第 2 項について, \(x=f(y)=g^{-1}(y)\), つまり \(y=g(x)\) で置換すると,

\(dy = g^\prime(x)\,dx\) なので,

\begin{align*}
\int_1^{\frac{3\sqrt{3}}{2}} xg^\prime(x)\,dx &= \int_0^{\log{\sqrt{3}}} f(y)g^\prime(x)\cdot\dfrac{1}{g^\prime(x)}\,dy\\
&= \int_0^{\log{\sqrt{3}}} f(y)\,dy\\
&= \int_0^{\log{\sqrt{3}}} \dfrac{2e^{3x}}{e^{2x}+1}\,dy\\
&= \int_0^{\log{\sqrt{3}}} \left(2e^y-\dfrac{2e^y}{e^{2y}+1}\right)\,dy
\end{align*}

と計算でき, この右辺の第1項は

\begin{align*}
\int_0^{\log{\sqrt{3}}} 2e^{y}\,dy &= \Big[2e^y\Big]_0^{\log{\sqrt{3}}}\\
&= 2\left(\sqrt{3}-1\right)
\end{align*}

第2項は, \(e^y=\tan\theta\) と置換すると, \(e^y\,dy = d\theta/\cos^2\theta\) なので,

\begin{align*}
\int_0^{\log{\sqrt{3}}} \dfrac{2e^y}{e^{2y}+1}\,dy &= \int_{\pi/4}^{\pi/3} \dfrac{2}{\tan^2\theta+1}\cdot\dfrac{1}{\cos^2\theta}\,d\theta\\
&= \int_{\pi/4}^{\pi/3} 2\,d\theta\\
&= 2\left(\dfrac{\pi}{3}-\dfrac{\pi}{4}\right)\\
&= \dfrac{\pi}{6}.
\end{align*}

以上をまとめると,

\begin{align*}
\int_1^{\frac{3\sqrt{3}}{2}} g(x)\,dx &= \frac{3\sqrt{3}}{2}\log{\sqrt{3}} – \left\{2\left(\sqrt{3}-1\right)-\dfrac{\pi}{6}\right\}\\
&= \frac{3\sqrt{3}}{2}\log{\sqrt{3}} -2\sqrt{3}+2+\dfrac{\pi}{6}.
\end{align*}

逆関数の定積分について

(2) の計算において, 部分積分をすることできれいな計算できる形に変形していますが, 一般に

関数 \(f(x)\) が区間 \([a, b]\), \((a<b)\) で単調増加であるとき, \([a,b]\) において逆関数 \(f^{-1}(x)\) が存在して,

\begin{align*}
\int_{f(a)}^{f(b)} f^{-1}(x)\,dx + \int_a^b f(x)\,dx &= \Big[xf(x)\Big]_a^b\\
&= bf(b)-af(a)
\end{align*}

が成り立ちます. このことは上のように部分積分と簡単な置換を行えば示すことができますが,

定積分がグラフにおける面積と対応していることを考えると直感的にわかりやすいと思います.

右のような単調増加な曲線 \(y=f(x)\) があるとき,

\(A\) を曲線と \(y\) 軸, 直線 \(y=f(a), y=f(b)\) に囲まれた面積,

\(B\) を曲線と \(x\) 軸, 直線 \(x=a, x=b\) に囲まれた面積とすると,

\begin{align*}
A &= \int_{f(a)}^{f(b)} f^{-1}(x)\,dx\\
B &= \int_a^b f(x)\,dx
\end{align*}

となりますが, \(A+B\) を考えると2つの長方形の面積の差, つまり

\begin{align*}
A+B = bf(b)-af(a)
\end{align*}

になっています.

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