中線定理を拡張してみた

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中線定理を拡張してみた

平面図形における中線定理の拡張を考えてみました.

まず,中線定理の復習からしておきます.

中線定理.

\(\triangle{ABC}\) において,辺 \(BC\) の中点を \(M\) とするとき

\begin{align*}
AB^2+AC^2 = 2(AM^2+BM^2).
\end{align*}

この定理を使えば,中線,つまり三角形の頂点とその対辺の中点を結んだ線分の長さをもとめることができます.

三平方の定理を用いた証明はこちらからどうぞ.

さて,今回の記事では,中線ではなく,頂点 \(A\) と 辺 \(BC\) を \(m:n\) に内分する点を結ぶ線分を考えてみます.

中線定理のように三平方の定理を用いてもいいのですが,ここでは扱いやすいようにベクトルを使って考えていきます.

まず,三角形 \(ABC\) において,ベクトル \(\vec{a}=\overrightarrow{AB}, \vec{c} = \overrightarrow{AC}\) として,辺 \(BC\) を \(m:n\) に内分する点を \(M\) とします.

内分点であることから

\begin{align*}
\overrightarrow{AM} &=\frac{1}{m+n}(n\vec{b}+m\vec{c})\\
AM^2 &= \overrightarrow{AM}\cdot\overrightarrow{AM}\\
&=\frac{1}{(m+n)^2}(n^2AB^2+2mn\vec{b}\cdot\vec{c}+m^2AC^2) \tag{1}
\end{align*}

ここで,\(\triangle{ABC}\) において余弦定理を用いると,

\begin{align*}
BC^2 &= AB^2 + AC^2 – 2AB\cdot AC\cos{\angle{A}}\\
&= AB^2 + AC^2 – 2\vec{b}\cdot\vec{c}
\end{align*}

より,

\begin{align*}
2\vec{b}\cdot\vec{c} &= AB^2+AC^2-BC^2
\end{align*}

なので,(1)式に代入して

\begin{align*}
AM^2 &= \frac{1}{(m+n)^2}\{n^2AB^2+mn(AB^2+AC^2-BC^2)+m^2AC^2\}\\
&= \frac{1}{(m+n)^2}\{n(m+n)AB^2-mnBC^2+m(m+n)AC^2\}
\end{align*}

さらにここで,

\begin{align*}
BM &= \frac{m}{m+n}BC\\
CM &= \frac{n}{m+n}BC
\end{align*}

なので,

\begin{align*}
AM^2 + BM\cdot CM &= \frac{1}{m+n}(nAB^2+mAC^2)\\
\therefore nAB^2+mAC^2 &= (m+n)(AM^2+BM\cdot CM)
\end{align*}

これで中線定理を拡張したものが得られました.

実際,中線の場合は \(m=n=1\) とすれば中線定理と同じ式になります.

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