トレミーの定理の応用例
以前証明しているトレミーの定理の利用例を紹介します.
トレミーの定理は次のようなものでした.
例1. (正 5 角形の対角線の長さを求める)
1 辺の長さが 1 の正 5 角形 ABCDE の対角線の長さを \(x\) とおきます. 図のように, 四角形 \(ABCD\) でトレミーの定理を当てはめると,
\(1\cdot 1+1\cdot x=x\cdot x\)
\(x^2-x-1=0\)
となるので, 解の公式を用いて解くと \(x>0\) から
\(\displaystyle x=\frac{1+\sqrt{5}}{2}\)
と求まります.
正 5 角形の対角線の長さは, 内部の三角形の相似からも求められますが, トレミーの定理を使った方が簡単です.
例2. (正 7 角形のもつ性質)
正 7 角形の 2 頂点を結ぶ線分の長さを短い方から \(a, b, c\) とします(右図).
このとき, 次の式が成り立つことが知られています.
\[\displaystyle \frac{1}{a}=\frac{1}{b}+\frac{1}{c}\]
これもトレミーの定理から簡単に示すことができます.
\(a\cdot b+a\cdot c=b\cdot c\)
となるので, 両辺を \(abc\) で割れば
\(\displaystyle \frac{1}{c}+\frac{1}{b}=\frac{1}{a}\)
となります.
例3. 正 3 角形を含む場合
四角形 ABCD の頂点のうち 3 つ(例えば B, C, D)が正 3 角形を作っている場合
\[BC=CD=BD\]
が成り立つことトレミーの定理から,
\[AB+AD=AC\]
というシンプルな式が導かれます.