絶対値の入った定積分(自作問題1-(3))

この記事の所要時間: 344

問題.

今回は自作問題集の1-(3), 絶対値を含む定積分の問題の解答・解説をします.

問題 .

\(\displaystyle \int_{-1}^{1} \frac{|x^3|e^{x^2}}{1+e^x} \,dx\)の値が\(\displaystyle \int_{0}^{1} x^3e^{x^2} \,dx\)の値に等しいことを示し, その値を計算せよ.

被積分関数\(\displaystyle \left( \frac{|x^3|e^{x^2}}{1+e^x}\right)\)に絶対値が含まれているので, 絶対値の中が正である範囲と負である範囲に分けて積分します. そのうち一方を置換積分を用いて変形することで, \(\displaystyle \int_{0}^{1} x^3e^{x^2} \,dx\)に等しいことを示すことができます.

\((1+e^x)\cdot(1+e^{-x})=(1+e^x)+(1+e^{-x})\)となることを利用した問題です.

その後の計算は, 部分積分を用いると簡単に計算できます.

解答例.

\begin{align*}
\int_{-1}^{1} \frac{|x^3|e^{x^2}}{1+e^x} \,dx = \int_{-1}^{0} \left(-\frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x}\right) dx + \int_{0}^{1} \frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x} \,dx
\end{align*}
\(x=-t\) とおくと, \(dx=-dt\) で, \(x:-1\to0\) のとき \(t:1\to0\) なので,
\begin{align*}
\int_{-1}^{0} -\frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x} \,dx &= \int_{1}^{0} -\frac{(-t)^3e^{(-t)^2}}{1+e^{-t}}\cdot(-1) \,dt\\
&= \int_{0}^{1} \frac{t^3e^{t^2}}{1+e^{-t}} \,dt\\
&= \int_{0}^{1} \frac{x^3e^{x^2}}{1+e^{-x}} \,dx
\end{align*}
よって,
\begin{align*}
\int_{-1}^{1} \frac{|x^3|e^{x^2}}{1+e^x} \,dx &= \int_{0}^{1} \frac{x^3e^{x^2}}{1+e^{-x}} \,dx + \int_{0}^{1} \frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x} \,dx \\
&= \int_{0}^{1} \left(\frac{x^3e^{x^2}}{1+e^{-x}}+\frac{x^3e^{x^2}}{1+e^x}\right) \,dx \\
&= \int_{0}^{1} \left(\frac{1}{1+e^{-x}}+\frac{1}{1+e^x}\right)x^3e^{x^2} \,dx\\
&= \int_{0}^{1} \frac{(1+e^x)+(1+e^{-x})}{(1+e^{-x})(1+e^x)} x^3e^{x^2} \,dx\\
&= \int_{0}^{1} \frac{e^x+e^{-x}+2}{e^x+e^{-x}+2}x^3e^{x^2} \,dx\\
&= \int_{0}^{1} x^3e^{x^2} \,dx\\
&= \left[\frac{1}{2}x^2e^{x^2}\right]_{0}^{1}-\int_{0}^{1} xe^{x^2} \,dx\\
&= \frac{1}{2}e-\Big[\frac{1}{2}e^{x^2}\Big]_{0}^{1}\\
&= \frac{1}{2}e-\left(\frac{1}{2}e-\frac{1}{2}\right)\\
&= \frac{1}{2}
\end{align*}

スポンサーリンク
sub2
sub2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください