初等関数の導関数の導出

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初等関数の導関数

以前書いた記事, 「初等関数の導関数」では

  • 定数関数 \(f(x)=c\)
  • \(n\) 次単項式 \(f(x)=x^n\)
  • \(f(x)=x^n\) , (\(n\) が0以外の実数)
  • 対数関数 \(f(x)=\log_{a}{x}\)
  • 指数関数 \(f(x)=a^x, a > 0, a\neq 1\)
  • 三角関数 \(f(x)=\sin{x}, \cos{x}, \tan{x}\)

の導関数を紹介しました. この記事では, それらを導出します.

導出.

1. 定数関数

\(f(x) = c\)

定義により,

\begin{align*}
f^\prime(x) &= \lim_{h\to 0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}\\
&= \lim_{h\to 0}\dfrac{c-c}{h}\\
&= 0
\end{align*}

2. 単項式

\(f(x) = x^n\), (\(n\) は自然数)

定義より

\begin{align*}
f^\prime(x) &= \lim_{h\to 0}\dfrac{(x+h)^n-x^n}{h}\\
&= \lim_{h\to 0}\dfrac{(x^n+{}_nC_1x^{n-1}h+{}_nC_2x^{n-2}h^2+\cdots+h^n) – x^n}{h}\\
&= \lim_{h\to 0}\dfrac{nx^{n-1}h+\frac{n(n-1)}{2}x^{n-2}h^2+\cdots+h^n}{h}\\
&= \lim_{h\to 0} \left\{nx^{n-1}+\frac{n(n-1)}{2}x^{n-2}h+\cdots+h^{n-1}\right\}\\
&= nx^{n-1}
\end{align*}

3.  2.でn が自然数でない場合

・まず, \(n=1/m\), \(m\)は自然数と書ける場合について,

逆関数の微分を使います.

\(y=x^{1/m}\) は \(x=y^m\) なので,

\begin{align*}
\frac{dx}{dy} = my^{m-1}
\end{align*}

となるので,

\begin{align*}
\frac{dy}{dx} &= \frac{1}{my^{m-1}}\\
&= \frac{1}{m(x^{1/m})^{m-1}} \\
&= \frac{1}{mx^{1-1/m}}\\
&= \frac{1}{m}x^{1/m – 1}
\end{align*}

次に, \(n\) が有理数 (\(n=k/m\))の場合, \(y=x^{k/m}=(x^{1/m})^k\) として合成関数の微分を使うと, 同様に

\begin{align*}
\frac{dy}{dx} = \frac{k}{m}x^{k/m – 1}
\end{align*}

となります.

\(n\) が無理数の場合については, ここでは省きますが, 実数の無理数乗が数列の収束する値として定義されていることを使うこと(*1)で同様に示せます.

(*1) : –>「指数

4. 対数関数

自然対数の底 \(e\) の定義を使います.

\(f(x)=\log_{a}{x}\) のとき,

\begin{align*}
f^\prime(x) &= \lim_{h\to 0}\frac{\log_{a}{x+h} – \log_{a}{x}}{h}\\
&= \lim_{h\to 0}\frac{1}{h}\log_{a}{\frac{x+h}{x}}\\
&= \lim_{h\to 0}\frac{1}{h}\log_{a}\left(1+\frac{h}{x}\right)\\
&= \lim_{h\to 0}\frac{1}{x}\log_{a}\left(1+\frac{h}{x}\right)^{\frac{x}{h}}\\
&= \frac{1}{x}\log_{a}{e}\\
&= \frac{1}{x\log_e{a}}
\end{align*}

5. 指数関数

\(f(x)=a^x\) のとき,

\begin{align*}
f^\prime(x) &= \lim_{h\to 0}\frac{a^{x+h}-a^x}{h}\\
&= \lim_{h\to 0}a^x\frac{a^h-1}{h}
\end{align*}

ここで, \(t=a^h-1\) とおくと, \(h\to 0\) のとき \(t\to 0\) で,

\(a^h = t+1\) より, \(h = \log_{a}(t+1) = \frac{\log_e(t+1)}{\log_e{a}}\).

\begin{align*}
f^\prime(x) &= \lim_{t\to 0} a^x\frac{t\log_e{a}}{\log_e(t+1)}\\
&= \lim_{t\to 0}a^x(\log_e{a})\frac{t}{\log_e(t+1)}
\end{align*}

ここで, 再び \(e\) の定義を使うと,

\begin{align*}
\frac{\log_e(t+1)}{t} &= \log_e(t+1)^{\frac{1}{t}}\\
&\to& \log_e{e}\quad (t\to 0)\\
&= 1
\end{align*}

なので,

\begin{align*}
f^\prime(x) = a^x\log_e{a}.
\end{align*}

6. 三角関数

\(f(x) = \sin{x}\) のとき,

\begin{align*}
f^\prime(x) &= \lim_{h\to 0}\dfrac{\sin(x+h)-\sin{x}}{h}\\
&= \lim_{h\to 0}\dfrac{\sin{x}\cos{h}+\cos{x}\sin{h}-\sin{x}}{h}\\
&= \lim_{h\to 0}\left\{\sin{x}\cdot\dfrac{\cos{h}-1}{h}+\cos{x}\cdot\dfrac{\sin{h}}{h}\right\}\\
&= \sin{x}\cdot 0+\cos{x}\cdot 1\\
&= \cos{x}
\end{align*}

但し,

\begin{align*}
\lim_{h\to 0} \dfrac{\cos{x}-1}{x} &= 0\\
\lim_{h\to 0} \dfrac{\sin{x}}{x} &= 1
\end{align*}

を使っています.

\(\cos{x}\) の微分も同様に計算すると \(-\sin{x}\) となります.

これは, \(\cos{x}=\sin\left(\frac{\pi}{2}+x\right)\) を利用して, 合成関数の微分でも求められます.

\(\tan{x}\) の微分も, 定義に当てはめるよりも

\begin{align*}
\tan{x} = \dfrac{\sin{x}}{\cos{x}}
\end{align*}

を利用して分数関数の微分を使うと

\begin{align*}
(\tan{x})^\prime &= \dfrac{\cos{x}(\sin{x})^\prime-\sin{x}(\cos{x})^\prime}{\cos^2{x}}\\
&= \dfrac{\cos^2{x}+\sin^2{x}}{\cos^2{x}}\\
&= \dfrac{1}{\cos^2{x}}
\end{align*}

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