問題.
平行四辺形 \(ABCD\) において, 辺 \(AB\) を \(1:1\) に内分する点を \(E\), 辺 \(BC\) を \(2:1\) に内分する点を \(F\)、辺 \(CD\) を \(3:1\) に内分する点を \(G\) とする. 線分 \(CE\) と線分 \(FG\) の交点を \(P\) とし, 線分 \(AP\) を延長した直線と辺 \(BC\) の交点を\(Q\)とするとき, 比 \(AP:PQ\) を求めよ.
以前別の記事で, この問題をベクトルを使って解く方法を紹介しました. (–> こちら)
今回は, 同じ問題を三角形の相似を使って解きたいと思います.
解答.
まず, 三角形の相似を使うために補助線を引いておきます.
\(CE\) を延長して直線 \(AD\) と交わる点を \(R\) ,
\(FG\) を延長して直線 \(AD\) と交わる点を \(S\) とおきます.
また, 説明が分かりやすくなるように, 辺 \(BC\) の長さを \(x\) とおいておきます.
はじめに, \(\triangle{PAR}\) と \(\triangle{PQC}\) が相似なので, 求めるべき比 \(AP:PQ\) は,
\begin{align*}
AP:PQ = RP:PC
\end{align*}
となります. さらに, \(\triangle{PRS}\) と \(\triangle{PCF}\) の相似に着目すると,
\begin{align*}
RP:CP = RS : CF
\end{align*}
となるので, \(RS:CF\) の比を求めればいいことが分かります.
ここからはとても簡単です.
\(BF:FC=2:1\) から,
\begin{align*}
CF=\dfrac{x}{3}
\end{align*}
はすぐに求まります.
\(RS\) の長さは, \(RA + AD + DS\) として考えます.
\(RA\) は, \(\triangle{RAE}\) と \(\triangle{CBE}\) が相似で, 相似比は \(AE:EB = 1:1\) なので,
\begin{align*}
RA = CB = x
\end{align*}
次に, \(AD\) は, 平行四辺形の対辺の長さは等しいので, \(BC\) に等しく
\begin{align*}
AD = x
\end{align*}
最後に, \(DS\) は \(\triangle{DSG}\) と \(\triangle{CFG}\) が相似で, その相似比は \(DG:CG = 1:3\) なので,
\begin{align*}
DS = \dfrac{1}{3}{CF} = \dfrac{x}{9}
\end{align*}
これらを足すと.
\begin{align*}
RS &= RA + AD + DS\\
&= x + x + \dfrac{x}{9}\\
&= \dfrac{19}{9}x
\end{align*}
したがって, 比は
\begin{align*}
RS : CF &= \dfrac{19}{9}x : \dfrac{x}{3}\\
&= 19:3
\end{align*}
なので, 答えは \(AP : PQ = 19 : 3\) となります.
どの三角形の相似を使うのかをいちいち書く手間はありますが, 考え方や計算はベクトルで解くよりも簡単でした.