京大2010年度理系[甲]第5問(積分・面積)

この記事の所要時間: 339

問題.

\(a\) を正の実数とする. 座標平面において曲線 \(y = \sin{x}\quad (0\leqq x\leqq \pi)\) と \(x\) 軸とで囲まれた図形の面積を \(S\) とし, 曲線 \(y = \sin{x}\quad \left(0\leqq x \leqq \dfrac{\pi}{2}\right)\) , 曲線 \(y = a\cos{x}\quad \left(0\leqq x\leqq \dfrac{\pi}{2}\right)\) および \(x\) 軸で囲まれた図形の面積を \(T\) とする. このとき,\(S:T = 3:1\) となるような \(a\) の値を求めよ.

とりあえず \(S\) の値は積分してすぐに求まります.

\(T\) については,\(y = \sin{x}\) と \(y = a\cos{x}\) のグラフの交点の座標が正確には分からない(\(a\) に依存する) ので,一旦交点の \(x\) 座標を \(x = \alpha\) とおいて計算します.

解答例.

まず \(S\) を計算します.

\begin{align*}
S &= \int_0^\pi \sin{x}\,dx\\
&= \Big[-\cos{x}\Big]_0^\pi\\
&= 1-(-1)\\
&= 2
\end{align*}

次に,\(T\) を考えます.

\(y = \sin{x}\) と \(y = a\cos{x}\) のグラフは \(0\leqq x\leqq \dfrac{\pi}{2}\) で1回だけ交わる(グラフの形を考えると明らかです)ので,その点を \(x = \alpha\) とおきます.

すると,\[\sin\alpha = a\cos\alpha\] が成り立ちます.

ここで,三角関数の性質 \[\sin^2{\alpha} + \cos^2{\alpha} = 1\] を使うと,

\begin{align*}
(a\cos\alpha)^2 + \cos^2\alpha &= 1\\
(a^2+1) \cos^2\alpha &= 1\\
\therefore \cos\alpha &= \dfrac{1}{\sqrt{a^2+1}}\\
\sin\alpha &= \dfrac{a}{\sqrt{a^2+1}}
\end{align*}

但し,3行目では,\(\cos\alpha > 0\) であることを使っています.

では,\(T\) を積分で求めていきましょう.

\begin{align*}
T &= \int_0^\alpha \sin{x}\,dx + \int_\alpha^\frac{\pi}{2} a\cos{x}\,dx\\
&= \Big[-\cos{x}\Big]_0^\alpha + \Big[a\sin{x}\Big]_\alpha^\frac{\pi}{2}\\
&= -\cos\alpha + 1 + a – a\sin\alpha\\
&= -\dfrac{1}{\sqrt{a^2+1}} + 1 + a – \dfrac{a^2}{\sqrt{a^2+1}}\\
&= 1 + a – \dfrac{1+a^2}{\sqrt{a^2+1}}\\
&= 1+ a – \sqrt{a^2+1}
\end{align*}

あとは,\(S:T = 3:1\) を使って,\(S = 3T\) より

\begin{align*}
2 &= 3(1+a-\sqrt{a^2+1})\\
3\sqrt{a^2+1} &= 3a+1\\
9(a^2+1) &= (3a+1)^2\\
9a^2+9 &= 9a^2+6a+1\\
8 &= 6a\\
\therefore a &= \dfrac{4}{3}.
\end{align*}

スポンサーリンク
sub2
sub2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加