極形式を用いる問題例

この記事の所要時間: 56

前回の記事で, 複素数の極形式を説明しました.

極形式

\begin{align*}
z = r(\cos\theta+i\sin\theta)
\end{align*}

(\(r\geqq 0, 0\leqq\theta<2\pi\))

\(i\) は虚数単位 \(i=\sqrt{-1}\)

ここでは, 極形式を用いて解く問題とその解法を紹介します.

極形式を使う問題の例.

問 1.

次の方程式の解 \(z\) をすべて求めよ.

\begin{align*}
z^6 = 1
\end{align*}

この問題は右辺の \(1\) を左辺に移項して因数分解すれば

\begin{align*}
(z+1)(z-1)(z^2+z+1)(z^2-z+1)=0
\end{align*}

となり, 簡単に解を求められますが, ここでは極形式を用いて解いてみましょう.

まず, \(z\) を極形式で \(z = r(\cos\theta+i\sin\theta)\), (\(r\geqq 0, 0\leqq\theta<2\pi\)) とおきます.

すると, ド・モアブルの定理から

\begin{align*}
z^6 = r^6(\cos{6\theta}+i\sin{6\theta})
\end{align*}

一方で, 方程式の右辺の \(1\) は,

\begin{align*}
1 &= 1\cdot(\cos{0}+i\sin{0})\\
&= 1\cdot(\cos{2n\pi}+i\sin{2n\pi})
\end{align*}

と書けます.

ここで, \(0\leqq\theta<2\pi\) より, \(0\leqq6\theta<12\pi\) なので,

\(n=0, 1, 2, 3, 4, 5\).

\begin{align*}
r^6(\cos{6\theta}+i\sin{6\theta}) = 1\cdot(\cos{2n\pi}+i\sin{2n\pi})
\end{align*}

(\(n = 0, 1, 2, 3, 4, 5\))

より,

\begin{align*}
r &= 1\\
\theta &= \frac{n}{3}\pi\\
&= 0, \frac{\pi}{3}, \frac{2}{3}\pi, \pi, \frac{4}{3}\pi, \frac{5}{3}\pi
\end{align*}

よって,

\begin{align*}
z &= 0, \frac{1+\sqrt{3}i}{2}, \frac{-1+\sqrt{3}i}{2}, \\
&\, -1, \frac{-1-\sqrt{3}i}{2}, \frac{1-\sqrt{3}i}{2}
\end{align*}

この問題と同様にして, \(z^n=1\) を満たす \(z\) は

\begin{align*}
z &= \cos{\frac{2k\pi}{n}}+i\sin{\frac{2k\pi}{n}}\\
&\, (k=0, 1, \ldots, n-1)
\end{align*}

と求めることができます.

問 2.

複素数 \(z\) が

\begin{align*}
z + \frac{1}{z} = \sqrt{2}
\end{align*}

を満たすとき,

\begin{align*}
z^{12}+\frac{1}{z^{12}}
\end{align*}

の値を求めよ.

このような問題では, \(z+\dfrac{1}{z}\) の値から, \(z^2+\dfrac{1}{z^2}, z^3+\dfrac{1}{z^3}\) などの値を順番に計算していくことが多いですが, ここでは \(z\) を実際に求めて, 計算していきます.

\(z+\dfrac{1}{z}=\sqrt{2}\) より, \(z^2-\sqrt{2}z+1=0\) なので, 解の公式を使って解くと,

\begin{align*}
z &= \frac{\sqrt{2}\pm\sqrt{2}i}{2}\\
&= \cos{\frac{\pi}{4}}\pm i\sin{\frac{\pi}{4}}\\
&= \cos{\left(\pm\frac{\pi}{4}\right)}+i\sin{\left(\pm\frac{\pi}{4}\right)}
\end{align*}

(複号同順)

よって,

\begin{align*}
z^{12} &= \cos\left(\pm 12\cdot\frac{\pi}{4}\right)+i\sin\left(\pm 12\cdot\frac{\pi}{4}\right)\\
&= \cos(\pm 3\pi)+i\sin(\pm 3\pi)\\
&= -1
\end{align*}

と計算できるので,

\begin{align*}
z^{12} + \frac{1}{z^{12}} &= -1 + \frac{1}{-1}\\
&= -2.
\end{align*}

となります.

スポンサーリンク
sub2
sub2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加