問題.
コインを 回投げて複素数
を次のように定める.
(i) 1 回目に表が出れば とし, 裏が出れば
とする.
(ii) のとき,
回目に表が出れば
とし, 裏が出れば
とする. ただし,
は
の共役な複素数である.
このとき, となる確率を求めよ.
京大の問題では定番の, 求めるべき確率以外にも確率を表す変数をおいて, 漸化式を立てて解く問題です. このパターンの問題は過去にもいくつかありました.
漸化式が立てられれば, 後は変数の消去をして, 隣接2項間の漸化式を解くだけです.
解答例.
とおくと,
なので, のとりうる値は
のいずれかになります.
では, となる確率をそれぞれ
とおきます.
は確率
で
または
なので,
です.
に対して,
・ のとき
なので, 確率
で
または
.
・ のとき
なので, 確率 1 で
.
・ のとき
なので, 確率
で
または
.
よって, 次のような漸化式が立てられます.
この漸化式から, に対して,
が成り立つので,
に対して
後は漸化式を解くだけです.
変形すると,
数列 は初項が
, 公比が
の等比数列なので,
よって,