京大2018年度理系第5問

この記事の所要時間: 737

問題.

曲線 \(y = \log{x}\) 上の点 \(A(t, \log{t})\) における法線上に, 点 \(B\) を \(AB = 1\) となるようにとる. ただし \(B\) の \(x\) 座標は \(t\) より大きいとする.

(1) 点 \(B\) の座標 \((u(t), v(t))\) を求めよ. また, \(\left(\dfrac{du}{dt}, \dfrac{dv}{dt}\right)\) を求めよ.

(2) 実数 \(r\) は \(0<r<1\) を満たすとし, \(t\) が \(r\) から 1 まで動くときに点 \(A\) と点 \(B\) が描く曲線の長さをそれぞれ \(L_1(r), L_2(r)\) とする. このとき, 極限 \(\displaystyle\lim_{r\to+0}\left(L_1(r)-L_2(r)\right)\) を求めよ.

媒介変数表示された曲線の長さの問題です.

\(xy\) 平面上の曲線が

\begin{align*}
x &= f(t)\\
y &= g(t)\quad (a\leqq t\leqq b)
\end{align*}

によって表されていて, \(f(t), g(t)\) が微分可能であれば, この曲線の長さは

\begin{align*}
L = \int_a^b \sqrt{\left(\dfrac{df}{dt}(t)\right)^2+\left(\dfrac{dg}{dt}(t)\right)^2}\,dt
\end{align*}

によって求まります.

解答例.

(1) \(y = \log{x}\) より, 微分して \(y^\prime=\dfrac{1}{x}\).

\(A(t, \log{t})\) における法線の傾きは, \(\dfrac{-1}{1/t} = -t\).

点 \(B\) は \(x\) 座標が \(t\) より大きいので, 点 \(B\) の \(x\) 座標を \(t+T\,(T>0)\) とおくと, \(A\) を通って傾き \(-t\) の直線上にあるので, \(y\) 座標は \(\log{t}-tT\) となります.

ここで, 条件 \(AB=1\) を使います. \(A(t, \log{t}), B(t+T, \log{t}-tT)\) なので,

\begin{align*}
T^2 + (-tT)^2 &= 1\\
\therefore T &= \dfrac{1}{\sqrt{1+t^2}}
\end{align*}

したがって, \(B\) の座標は \((u(t), v(t)) = \left(t+\dfrac{1}{\sqrt{1+t^2}}, \log{t}-\dfrac{t}{\sqrt{1+t^2}}\right)\).

\(u(t), v(t)\) を微分すると,

\begin{align*}
\dfrac{du}{dt} &= 1-\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{2t}{(1+t^2)^\frac{3}{2}}\\
&= 1 – \dfrac{t}{(1+t^2)^\frac{3}{2}}\\
\dfrac{dv}{dt} &= \dfrac{1}{t} – \dfrac{\sqrt{1+t^2}-t\cdot\frac{2t}{2\sqrt{1+t^2}}}{1+t^2}\\
&= \dfrac{1}{t} – \dfrac{1}{(1+t^2)^\frac{3}{2}}
\end{align*}

よって, \(\left(\dfrac{du}{dt}, \dfrac{dv}{dt}\right) = \left(1 – \dfrac{t}{(1+t^2)^\frac{3}{2}}, \dfrac{1}{t} – \dfrac{1}{(1+t^2)^\frac{3}{2}}\right)\).

(2) まず, \(y=\log{x}\) から \(y^\prime=\frac{1}{x}\) なので,

\begin{align*}
L_1(r) &= \int_r^1 \sqrt{1+\left(\dfrac{1}{x}\right)^2}\,dx\\
&= \int_r^1 \dfrac{\sqrt{1+x^2}}{x}\,dx
\end{align*}

となります.

次に, \(L_2(r)\) を考えます.

(1) より, \(\dfrac{dv}{dt} = \dfrac{1}{t}\cdot\dfrac{du}{dt}\) なので,

\begin{align*}
\left(\dfrac{du}{dt}\right)^2+\left(\dfrac{dv}{dt}\right)^2 &= \left(\dfrac{du}{dt}\right)^2+\dfrac{1}{t^2}\cdot\left(\dfrac{du}{dt}\right)^2\\
&= \dfrac{1+t^2}{t^2}\cdot\left(\dfrac{du}{dt}\right)^2.
\end{align*}

ここで, \((1+t^2)^3\geqq 1+t^2>t^2\geqq 0\) より,

\(\dfrac{t}{(1+t^2)^\frac{3}{2}}=\sqrt{\dfrac{t^2}{(1+t^2)^3}}<1\) なので, \(\dfrac{du}{dt}>0\) です.

よって, \(L_2(r)\) は,

\begin{align*}
L_2(r) &= \int_r^1 \sqrt{\left(\dfrac{du}{dt}\right)^2+\left(\dfrac{dv}{dt}\right)^2}\,dt\\
&= \int_r^1 \sqrt{\dfrac{1+t^2}{t^2}\cdot\left(\dfrac{du}{dt}\right)^2}\,dt\\
&= \int_r^1 \dfrac{\sqrt{1+t^2}}{t}\cdot \dfrac{du}{dt}\,dt\\
&= \int_r^1 \dfrac{\sqrt{1+t^2}}{t}\cdot \left\{1 – \dfrac{t}{(1+t^2)^\frac{3}{2}}\right\}\,dt\\
&= \int_r^1 \left(\dfrac{\sqrt{1+t^2}}{t}-\dfrac{1}{1+t^2}\right)\,dt
\end{align*}

よって,

\begin{align*}
L_1(r) – L_2(r) &= \int_r^1 \dfrac{\sqrt{1+x^2}}{x}\,dx – \int_r^1 \left(\dfrac{\sqrt{1+t^2}}{t}-\dfrac{1}{1+t^2}\right)\,dt\\
&= \int_r^1 \dfrac{1}{1+t^2}\,dt
\end{align*}

となります.

\(t=\tan\theta\) と置換すると, \(dt = \dfrac{1}{\cos^2\theta}dx\) で, \(t=r\) のとき \(\theta=\theta_r\) とすると,

\begin{align*}
L_1(r) – L_2(r) &= \int_{\theta_r}^{\pi/4} \dfrac{1}{1+\tan^2\theta}\cdot\dfrac{1}{\cos^2\theta}\,d\theta\\
&= \int_{\theta_r}^{\pi/4}\,d\theta\\
&= \dfrac{\pi}{4} – \theta_r.
\end{align*}

\(r\to+0\) のとき, \(\theta_r\to+0\) なので,

\begin{align*}
\lim_{r\to+0} \left(L_1(r)-L_2(r)\right) &= \lim_{\theta_r\to +0} \left(\dfrac{\pi}{4}-\theta_r\right)\\
&= \dfrac{\pi}{4}.
\end{align*}

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