2012年阪大理系第4問と拡張

この記事の所要時間: 66

問題.

5 次式 \(f(x)=x^5+px^4+qx^3+rx^2+sx+t\) (\(p, q, r, s, t\)は実数) について考える.このとき,以下の問いに答えよ.
(1) 数列 \(f(0), f(1), f(2), f(3), f(4)\) が等差数列であることと,
\begin{align*}
f(x)=x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)+lx+m
\end{align*}(\(l, m\)は実数) と書けることは互いに同値であることを示せ.
(2) \(f(x)\) は (1) の条件を満たすものとする.\(\alpha\) を実数,\(k\) を 3 以上の自然数とする.\(k\) 項からなる数列
\begin{align*}
f(\alpha), f(\alpha+1), f(\alpha+2), \ldots, f(\alpha+k-1)
\end{align*}が等差数列となるような \(\alpha, k\) の組をすべて求めよ.

方針.

(1) については,\(f(x)=x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)+lx+m\Rightarrow\) 等差数列の方は明らかなので,逆を上手く説明できるかがカギです.右辺に \(x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)\) という積の形があるので,\(f(x)-(lx+m)\) がこの形に因数分解できる,という方向で考えると示しやすいです.

(2) については,おそらく \(f(0), f(1), \ldots, f(4)\) の部分列以外には等差数列は存在しないだろうと予想がつくので,その証明を考えていきます.

解答例.

(1) まず,\(f(x)=x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)+lx+m\) と書けるとき,
\begin{align*}
f(0) &= m\\
f(1) &= m+l\\
f(2) &= m+2l\\
f(3) &= m+3l\\
f(4) &= m+4l
\end{align*} なので,項差 \(l\) の等差数列となる.

逆に,\(f(0), f(1), f(2), f(3), f(4)\) が等差数列のとき,\(f(0)=m\), 項差を \(l\) とおくと,\(f(0)=m, f(1)=m+l, \ldots, f(4)=m+4l\). ここで,\(g(x)=f(x)-(lx+m)\) とおくと,

\begin{align*}
g(0)=g(1)=\cdots=g(4)=0
\end{align*}

また,\(g(x)=f(x)-(lx+m)\) は \(x\) の 5 次式で \(x^5\) の係数は 1 なので,

\begin{align*}
g(x)=x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)
\end{align*}となります(→因数定理).

よって,\(f(x)=x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)+lx+m\) と書けます.

(2) \(k\) として 3 以上の自然数を考えるので,条件を満たすとき,\(f(\alpha), f(\alpha+1), f(\alpha+2)\) は等差数列.つまり,
\begin{align*}
2f(\alpha+1)=f(\alpha)+f(\alpha+2).\tag{$\ast$}
\end{align*}

さて,この両辺に (1) の \(f(x)\) を当てはめてみると, まず左辺は
\begin{align*}
2f(\alpha+1) &= 2\{(\alpha+1)\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)(\alpha-3)+l(\alpha+1)+m\}\\
&= 2(\alpha+1)\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)(\alpha-3)+2l\alpha+2l+2m.
\end{align*}

次に,右辺は
\begin{align*}
f(\alpha)+f(\alpha+2) &= \{\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)(\alpha-3)(\alpha-4)+l\alpha+m\}\\
&\quad+\{(\alpha+2)(\alpha+1)\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)+l(\alpha+2)+m\}\\
&= \alpha(\alpha-1)(\alpha-2)\{(\alpha-3)(\alpha-4)+(\alpha+2)(\alpha+1)\}\\
&\quad+2l\alpha+2l+2m.
\end{align*}

(\(\ast\)) より,
\begin{align*}
2f(\alpha+1)&-f(\alpha)-f(\alpha+2) \\
&= \alpha(\alpha-1)(\alpha-2)\{2(\alpha+1)(\alpha-3)-(\alpha-3)(\alpha-4)-(\alpha+2)(\alpha+1)\}\\
&= -20\alpha(\alpha-1)(\alpha-2) \\
&= 0 \end{align*}

よって,条件を満たすには \(\alpha=0,1,2\) が必要です. このことから,\(f(3), f(4), f(5)\) が等差数列にならないこともわかるので,条件を満たす数列は \(f(0), f(1), f(2), f(3), f(4)\) から連続した 3 項以上を抜き出したものに限られるので, \(\alpha, k\) の組は, \((\alpha, k) = (0,3), (0,4), (0,5), (1,3), (1,4), (2,3)\).

問題の拡張.

この問題で証明した内容は,\(f(x)\) を \(n\) 次多項式に拡張できます. \(n\) を 3 以上の自然数として,多項式
\begin{align*}
f(x) = \sum_{k=0}^n a_kx^k
\end{align*}(\(a_k\) は実数で,\(a_n=1\)) を考えます.このとき,

(1) 数列 \(f(0), f(1), \ldots, f(n-1)\) が等差数列であることと \begin{align*} f(x) = x(x-1)\cdots(x-n+1)+lx+m \end{align*}(\(l, m\) は実数) と書けることは互いに同値

(2) \(f(x)\) が (1) の条件を満たすとき,\(k\) 項からなる数列
\begin{align*}
f(\alpha), f(\alpha+1), f(\alpha+2), \ldots, f(\alpha+k-1)
\end{align*}(\(k\geq 3\))が等差数列となるのは,これが \(f(0), f(1), \ldots, f(n-1)\) から連続した 3 項以上を抜き出した場合しかなく,そのような \((\alpha, k)\) の組は全部で \((n-1)(n-2)/2\) 組ある.

ということを,同様の手順で示すことができます.

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